2024/09/24
全国中小建設業協会 ブロック別意見交換会(1)中部
全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は9月19日、国土交通省と意見を交す「2024年度全国ブロック別意見交換会」をスタートさせた。同日は、その初弾として中部ブロックの意見交換会を名古屋市で開催。愛知県土木研究会、静岡県中小建設業協会、愛知県舗装技術研究会、愛知県建築技術研究会が参加した。国は、各会の質問に答えた他、ダンピング対策や、施工時期の平準化など市町村で取り組みの遅れが目立つ施策について、働きかけを強化していく考えを示した。
開会のあいさつで小野徹副会長は、全中建として国や自治体などに、継続した公共事業予算の確保、工事発注時期の平準化などを要望していることを説明。特に、最低制限価格率などの引き上げについては「中小建設業界が置かれている状況が改善されるために、継続して要望していく」と強調した。
続いて、開催地を代表してあいさつに立った愛知県土木研究会の朝日啓夫会長も、最低制限価格率等の引き上げに触れ、「利益率の確保のため、最低でも95%以上に引き上げていただきたい」と具体的に要望。これに、熱中症対策と地方自治体への指導強化を加えた3点の必要性を強く訴えた。
これに対して、国交省本省から参加した不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の酒井大斗課長補佐は「建設業行政の課題」を解説する中で、ダンピング対策を拡充していることを説明。低入札価格調査基準の計算式を改定し、一般管理費等を引き上げたことや、ダンピング対策が地方公共団体に普及するよう、働きかけていることも紹介した。
また、資材価格の高騰に対し、全体的に上昇傾向にあることを解説。サプライチェーン全体で適切な価格転嫁を図り、「より良い循環につなげていきたい」と述べた。併せて、第三次・担い手3法の改正の趣旨を説明した。
各会からの意見のうち、土木研究会からは、市町村における週休2日制工事の実施の拡大に向けた国の取り組みについての質疑があり、「市町村の進捗が22年度に14%から23年度に22%に上がっているものの、遅れがある」という実態を説明。また補正係数の見直しを求める意見について、「必要な経費について実態調査をしながら適正な予定価格を設定できるよう努力する」と回答した。
平準化に向けた取り組みについては、国側が市町村の取り組みの遅れについて、「繰り越しの活用が十分に行われていないところがあり、例えば、9月議会に繰り越しを行う、など早期の取り組みが必要」と説明。その上で「品確法には、縦割りを廃止し、一体となって連携して平準化を進めることが位置付けられている。今後、徹底していくよう強く働きかけていく」との考えを示した。
(地方建設専門紙の会/建通新聞社)