中小企業庁は、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」を改正する。公正取引委員会が見直した買いたたきや手形の運用基準を、下請取引の現場で順守するための改正で、中小企業の実質賃金の引き上げを図る。改正案を公表し、10月10日まで意見を募集する。
振興基準とは、下請け事業者と親事業者の望ましい取引関係を定めたもので、今回の改正で「対価の決定の方法、納品の検査の方法その他取引条件の改善に関する事項」を見直す。
改正案では、買いたたきの定義を盛り込み、労務費や原材料価格、エネルギーコストなどの上昇を据え置いた下請代金額での取引などを不当とした。
また、約束手形の利用廃止に向け、約束手形、一括決済方式、電子記録債権の振出日から支払期日までの期間を60日以内とするよう徹底する。下請け事業者が金融機関から下請代金額に相当する金銭を受け取れる一括決済方式には、債権譲渡担保方式、ファクタリング方式、併存的債務引受方式が利用できると明記した。
提供:建通新聞社