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2024/09/12

「入契制度も見直しを」 労務費確保で注文

 9月10日に開かれた中央建設業審議会のワーキンググループで、改正建設業法に基づく「労務費の基準」を巡り、元請け建設業団体からは、公共工事の入札契約制度の見直しを求める意見が寄せられた。岡山県建設業協会の荒木雷太会長は、入札により労務費相当分が割り引かれることのないよう、労務費を担保するような仕組みをつくる必要性を指摘した。
 荒木会長は、入札制度を見直さなくては「元請けが過度な負担を強いられる」と発言。全国中小建設業協会の土志田領司会長も、労務費基準の検討と一体で入札契約制度改革が必要だとした。
 民間発注工事については、日本建設業連合会の白石一尚人材確保・育成部会長が実効性確保の必要性を強調。発注者の立場からは、三菱地所の佐々木隆一経営企画部ユニットリーダーが、労務費が末端の技能者まで行き渡るのを確認することは困難だとし、受注者が適正支払いの表明保証を行うような仕組みが有効だとしいた。
 建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は労務費の基準について、「完成形ではなく、やりながらブラッシュアップしていく」よう求めた。
 全国建設労働組合総連合の長谷部康幸賃金対策部長は、労務費の基準を考えるに当たり、「1日8時間、週40時間就労を基準として工期設定を考慮することが望ましい」と注文した。
 この他、契約時の適正見積りや書面契約自体が零細事業者の負担になることを懸念する意見や、労務費の基準を活用できるよう、ひな形の提示を求める声もあった。

提供:建通新聞社