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2024/09/10

道路除雪の固定経費計上 積雪地以外で活用

 国土交通省が道路除雪工の発注に当たり、除雪機械の損料を固定的経費として計上する積算試行の実施状況を調べたところ、2022年度までに327件が対象となったことが分かった。このうち受注者が試行を希望したのは26件。実際に固定的経費の計上を要したのは3件で、施工地域は積雪地以外だった。国交省は積算方法を改めて周知し、試行を継続する。
 道路除雪工では通常、待機費と除雪の出来高に応じた金額を受注者に支払っている。降雪量が少ないと、除雪機械の償却費や管理費といった固定費が受注者の利益を圧迫。除雪体制の維持・確保が困難になることから、国交省は除雪機械の機種・台数ごとに償却費と管理費を積み上げて固定的経費を算定できる試行を21年度から開始した。
 22年度に施工中の直轄工事のうち、試行対象となったのは327件。北海道開発局管内の案件が134件と最も多かった。九州地方整備局と内閣府沖縄総合事務局ではゼロ件だったが、他の地整では20件〜43件程度の試行対象工事があった。
 このうち、固定的経費の積算試行を希望したのは26件で、全体の約8%。試行の希望がなかった理由には、「降雪量が多い」ことを挙げる回答が多かった。
 26件のうち降雪量が少なく、実際に固定的経費を計上した工事の施工地は奈良県が1件、徳島県が2件。積算計上額は21万円〜78万円程度だった。費用計上について受注者に聞いたところ、2件は「妥当」だと回答。残る1件は「少なかった」としたものの、積算方法に改善すべき点はないとした。

提供:建通新聞社