国土交通省は、第3次担い手3法の改正を踏まえ、入札契約適正化措置に関する指針の改正骨子案をまとめた。自治体のマンパワー不足に対応するため、発注体制の整備に関わる項目を新設。入札契約に関する情報を原則としてインターネットで公表することや、繁忙期の解消による平準化の推進も位置付ける。9月5日に開かれた自民党の「公共工事品質確保に関する議員連盟」(根本匠会長)で報告した。
適正化指針は、入札契約適正化法に基づいて国交大臣と総務大臣、財務大臣が案を作成し、閣議決定する。国や自治体といった発注者には指針に沿った措置を講じる努力義務が課される。指針に基づく措置の実施状況の報告を発注者に求め、その結果を公表するとともに、必要な措置を講じるよう勧告・公表できる。
今回の主な改正内容を見ると、入契法・建設業法改正への対応としては、入札契約を適正化するための措置として、新たに発注体制の整備に関する項目を新設する。
改正法により技術者の専任義務が合理化され、遠隔通信技術の活用を前提に兼任が可能となることを踏まえ、配置予定技術者の専任・兼任状況を確認することも適正化指針に盛り込んだ。
指針に盛り込んだ取り組み事項を自治体に徹底させるため、発注者に対して必要な要請、勧告を行うことも盛り込んだ。
改正品確法への対応では、施工時期の平準化に向けて発注部局だけでなく、財政・契約関係部局などを含め、部局間連携を強化することとした。地域の実情を踏まえた入札参加条件・規模の設定や週休2日工事の推進などを指針に位置付ける。
法改正以外でも、近年の課題への対応として、入札契約に関する情報公表を原則としてインターネット上で行うことを規定。政府のアナログ規制見直しの動きを受け、入契法で公開を義務付けている発注見通しの各項目や入札参加者・落札金額などについて、インターネットで公表することを発注者に求める。
施工時期の平準化に向けた新たな取り組みとして、年度末などの繁忙期をならすことに力点を置いた「ピークカット」の推進を新たに記載する。4〜6月ごろの閑散期解消へ早期発注に取り組む従来の平準化の手法と合わせ、年間を通じた平準化につなげる。
この他、時間外労働規制への対応や、猛暑日の考慮など、3月に改定した工期に関する基準を踏まえた工期設定も盛った。
提供:建通新聞社