国土交通省と厚生労働省は、2025年度予算の概算要求に盛り込んだ建設業の人材確保・育成関連施策をまとめた。厚労省は、人材確保等支援助成金に建設キャリアアップシステム(CCUS)等活用促進コース(仮称)を創設。CCUSによる能力評価を通じた賃上げなどを後押しする。国交省は大工技能者の育成につながる団体の取り組みに対する支援を新設する。
人材確保等支援助成金ではこれまで、CCUSの普及促進コースを設け、団体を通じて事業者登録などを助成してきた。今回創設した新コースでは、個々の事業者に対し、CCUSを活用した技能者の能力評価など、雇用管理改善の取り組みを支援する。
この他、厚労省では雇用管理改善や人材育成に取り組む中小建設事業主の経費、賃金の一部を助成。人材確保支援助成を含め、建設事業主に対する助成金として69億円を要求している。
国交省の事業では、暮らし維持のための安定的な住宅生産・維持管理事業を新設。地域の工務店などの住宅生産事業者で構成しているグループに対し、住宅整備に関連した技能の維持・継承、担い手確保・育成、防災・減災につながるモデル的な取り組みを支援する。能登半島地震を踏まえた住宅分野の災害対策の一環として、災害に強い住宅を整備したり、災害時の仮設・応急修理に対応できる技能者の確保につなげる。
人材確保・育成に関する予算には前年度を9000万円上回る3億円を要求。地方の入札契約改善推進事業を拡充し、改正品確法を踏まえた地方自治体の発注体制の強化につながる取り組みを推進する。受発注者間の情報共有システムの活用状況などを新たに調べる。
提供:建通新聞社