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2024/09/02

新水循環基本計画を決定 上下水道を一体で耐震化

 政府は8月30日、新たな水循環基本計画を決定した。能登半島地震による水インフラの被害を受け、生活用水の確保に向けた平時の対策を重点事項に設定。水循環政策本部がまとめた主要施策の工程表では、上下水道管路の一体的な耐震化について、自治体が進めている緊急点検の結果を踏まえ、2025年度から3年間で推進するイメージを示した。
 水循環基本計画は、上下水や井戸水を含む水施策の方向性を示す。上水道行政の国交省への移管や、水インフラの災害リスクの顕在化を受け、当初の予定から1年間前倒して見直し作業を進めてきた。
 主要施策のうち、安定した水供給の確保では、水インフラの耐震化を推進。浄水場や配水池などの基幹施設や、避難所・病院などの災害時の拠点施設に接続する管路を急所と位置付け、対策を急ぐ。自治体が点検結果を踏まえて24年度内に策定する上下水道耐震化計画に基づき、25年度から上下水道一体での耐震化を本格化する。
 人口減少や老朽施設の増大に対応した上下水道の再構築も重点事項とした。事業の広域化や、浄化槽などの分散型システムを地域の実情に応じて活用。26年度にかけてモデル流域を設定し、施設の最適配置を進める。27年度以降、全国展開を見据える。
 水分野でのカーボンニュートラルにも取り組む。水力発電増強に向けた事業者支援の他、多目的ダムでの発電施設の新増設や、揚水発電パイロット事業の検討を盛り込んだ。
 流域治水に水循環の視点を取り入れ、「流域総合水管理」を全国109の1級水系で展開する。モデル地区での流域水循環計画策定、先行的な取り組みを発信する。

提供:建通新聞社