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2024/08/28

国交省概算要求7兆円 物価高騰分は事項要求

国土交通省は8月27日、一般会計への要求額を7兆0330億円とする2025年度の概算要求をまとめた。24年度当初予算と比べ18・1%の増額要求となる。公共事業関係費への要求額は18・9%増の6兆2899億円(事業費14兆6778億円)。政府の概算要求基準を踏まえ、国土強靱(きょうじん)化、資材価格の高騰、北陸新幹線の敦賀〜新大阪間の新規着工に関する経費は、要求額を示さない事項要求とし、年末までの予算編成過程で検討する。
 国交省の概算要求は、「国民の安全・安心の確保」「持続的な経済成長の実現」「個性を生かした地域づくりと分散型国づくり」の3本柱で構成。政府の概算要求基準では、24年度の当初予算と比べ、20%を上限に要求することを認めており、この基準を踏まえて要求額を算出した。
 これらの要求に加え、事業の項目だけを明示し、要求額を示さない事項要求も行う。事項要求は、年末の25年度当初予算案の閣議決定までに予算額を決めるか、当初予算と一体で編成される補正予算に計上するのが例年の流れだ。
 今回も、24年度に続き「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の事業費を事項要求とした。21年度に始まった5か年加速化対策は25年度が最終年度になる。5か年加速化対策の後継となる実施中期計画は、6月に閣議決定した骨太の方針で24年度の早期に策定に着手するとしており、今回の予算編成に計画を反映しない見通しが高い。
 資材価格については「足元の価格上昇分は通常の要求額に盛り込んでいる」(大臣官房会計課)としているが、事項要求として予算編成の過程で上乗せを検討する。資材価格の上昇分は24年度の概算要求でも事項要求としており、昨年11月に成立した23年度補正予算に「国土強靱化緊急対応枠」として3000億円を計上。公共事業費の資材価格上昇分などに費用を充てた。
 公共事業関係の主な要求では「流域治水」の加速に8311億円を盛り込んだ。気候変動による豪雨の激甚化・頻発化によって外力が増加し、整備目標と実際の整備レベルとの差が広がっており、河川整備基本方針や河川整備計画を見直して「流域治水2・0」へと対策を加速させる。
 インフラの老朽化対策には9327億円を要求。インフラ長寿命化計画(行動計画)に基づき、予防保全への本格的な転換、新技術・官民連携手法の普及促進、インフラの集約・再編を進める。「地域インフラ群再生戦略マネジメント」を推進するため、モデル地域での取り組みを全国に展開する。
 地方自治体に対する社会資本整備総合交付金には6089億円、防災・安全交付金には1兆0405億円を要求する。
 建設業関連では、6月に成立した改正建設業法の実効性を確保するため、「建設Gメン」による効果的な実地調査、請負契約をめぐる紛争への助言などに2億4500万円を要求。標準労務費を設定するための工事費内訳調査・分析事業に7000万円を要求した。

提供:建通新聞社