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中央ニュース

2024/08/13

改正品確法の運用指針 25年度の反映見据え策定

 国土交通省は、改正品確法に基づく施策推進に向けた基本方針を12月〜2025年1月をめどに閣議決定する。より詳細に公共工事の発注関係事務の取り扱いを示す運用指針の策定作業も今冬にかけて進める。休日・賃金の確保と地域建設業の維持を盛り込んだ改正法の理念を踏まえ、2025年度から運用を開始できるようにする。
 品確法の基本方針は、公共工事の品質確保の意義や施策の方向性を示すもの。国や高速道路会社などの特殊法人、地方自治体は基本方針に沿って必要な措置を講じる努力義務が課される。
 基本方針を改定し、改正品確法と改正建設業法・入札契約適正化法の内容をそれぞれ反映する他、近年の社会課題を踏まえた取り組み事項を盛り込む方向だ。具体的には、4月から建設業にも適用された時間外労働の罰則付き上限規制への対応などを想定。上限規制を順守した適正工期の確保や、現場が稼働できないような猛暑日を考慮した工期設定を求める新たな「工期に関する基準」を踏まえた内容とする。必要に応じて会議などを通じて自治体、建設業団体の関係者と情報を共有し、改定作業を進める。
 品確法に基づく発注関係事務の運用指針は、公共工事の発注者が工事内容や地域の実情に応じた入札・契約方法を選択できるよう、国が発注者共通の指針として作成する。自治体や建設業団体、有識者への意見照会を経て改正内容を詰める。
 6月に公布・施行した改正品確法の主な内容を見ると、公共工事従事者の労働環境整備に向けて配慮すべき内容として賃金や労働時間と並び、「休日」を明確に位置付けた。その上で、国が休日付与の実態調査を行うこととした。合わせて、公共工事の請負契約の締結状況や、能力評価に基づく賃金支払いが行われるよう、実態調査に努めることも規定。調査結果は公表し、適正な労働条件確保の施策に生かす。
 スライド条項の運用基準の策定も新たに規定した。労務や資材の取引価格の変動に基づき、請負金額を適切に算定、変更するよう求めている。
 災害対応力の強化に向け、被災地域外の建設企業と被災地の建設企業が共同企業体となる「復興JV」を改正品確法に位置付けた。応急対策工事の発注に際して保険契約の保険料を予定価格に適切に反映することも盛り込んだ。
 新技術を活用した資材、機械、工法の採用を発注時に適切に評価することも規定。公共工事での環境保全促進に向け、脱炭素化につながる新技術の活用への配慮も発注者に求めている。
 一連の取り組みを、自治体が適切に行えるよう、国が調査に基づき必要な助言を行うともしている。

提供:建通新聞社