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中央ニュース

2024/08/01

ICT施工「ステージ2」 12工事で試行開始

 国土交通省は、ICT施工の新たな段階である「ステージ2」として、ダンプや建機の位置・稼働状況の把握による現場管理の高度化を直轄工事で試行する。稼働中の12現場を初弾として選定しており、今後さらに追加する。2040年度までに建設現場を3割省人化する目標を見据え、効果を検証。現場データの集約・活用基盤となる施工データプラットフォームの構築に生かす。
 試行工事では、建機の位置や稼働状況、施工履歴などのデータをICT機器やウェブアプリケーションでリアルタイムに集約する。現場の状況を可視化し、効率的な資機材の配置や作業工程の実現を目指す。まずは土工事を対象に導入を予定。具体化に向け、3月に実施要領を策定・公開している。
 主な取り組み事項の例を見ると「施工段取りの最適化」では、ダンプの位置情報を把握することで積み込み作業を行う建機の待機時間を圧縮し、別の作業に振り分けることなどを想定。
 「ボトルネック把握・改善」では、土工事で建機の稼働状況を調査。前工程に当たる掘削と運搬で待機時間が発生しているとき、後工程の盛土に用いるブルドーザをより大型のものに変えることで作業の停滞を防ぐ。
 「進ちょく把握による予実管理」では、日当たり施工量と計画との差をリアルタイムで監視して工程の遅れを早期に発見したり、資機材の配置を適時に見直したりする。ダンプの積み込み・荷卸し回数の計測による土量算出、運搬回数・台数の計測による施工量把握などで実装する。
 「注意喚起、教育等」では、ダンプトラックの運行経路・状況把握による交通計画の策定、安全対策の高度化を考えている。
 この他、過去の実績データに基づく施工計画の立案や、現場で排出するCO2の削減、データに基づく段階確認や出来形検査の実施も受注者の提案を踏まえて実施する。
 試行の効果測定に合わせ、省人化の程度をどのように評価するかも考える。建機メーカーを横断した情報共有を可能にする施工データプラットフォームの構築を見据え、どのようなデータが必要になるかも調べる。得られた成果は2024年度内にまとめ、関係団体・研究機関で構成するICT導入協議会に報告する。

提供:建通新聞社