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中央ニュース

2024/08/01

民間の災害対応部隊 位置付け明確化を検討

 国土交通省は、緊急災害対策派遣隊(TEC−FORCE)と連携して活動する建設業者などの団体・個人について、災害対応部隊としての位置付けの明確化を検討する。能登半島地震を踏まえ、今後の災害対応力強化を議論する政府のワーキンググループで表明した。
 災害時に応急復旧や被害状況調査のため派遣されるTEC−FORCEは、災害協定を締結した建設業者や、水資源機構などの専門機関、防災エキスパートなどと連携して活動している。首都直下地震や南海トラフ地震では、さらに大規模な被害が見込まれることから、多様な主体との連携強化が必要と判断。民間事業者も含めて災害対応に専念できる環境整備を検討するとした。その上で、TEC―FORCEと連携する災害対応部隊としてどのように位置付けるかを検討する。
 TEC−FORCE職員や連携する民間事業者が利用できる宿泊施設の確保、通信設備・資機材の充実にも取り組む。
 事前防災対策についても議論した。上下水道施設の急所となる箇所の点検や、能登半島地震で道路の寸断の要因となった盛土の点検を全国で進めていることを国交省が説明。液状化対策や老朽化した住戸の耐震改修促進を含め、事前防災対策をさらに計画的・戦略的に進めるとした。
 施設関係ではこの他、文部科学省が能登半島地震時の学校施設における課題を説明した。学校耐震化により校舎の倒壊被害はなかったが、外壁や天井材、照明器具などの落下が発生。非構造部材の耐震対策のさらなる推進や、体育館への空調設備の設置、バリアフリートイレの整備などを求めた。
■自治体の技術職員不足も課題に
 一方、能登半島地震で被災した石川県、富山県、新潟県からは、いずれも災害対応の専門職員の不足を訴える意見が出た。石川県は全国から多くの職員が派遣されたものの、技術職員の確保が困難だったと説明。富山県は土木職をはじめ災害対応を担う技術職員の採用を上乗せして計画しているものの苦戦しており、行政のみでの対応には限界があるとした。新潟県も土木職員数が長期的に減少傾向にあり、被災した地方自治体への職員派遣による支援が困難になっていると報告した。

提供:建通新聞社