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中央ニュース

2024/07/30

時間外労働規制 協力業者・物流含め対応検討

 国土交通省と日本建設業連合会(日建連)は直轄工事を対象に、生コンクリートの出荷・打設や資機材の運送など、協力業者・物流業界を含めた時間外労働規制への対応を検討することを決めた。5〜6月に全国9地区で開いた意見交換会のフォローアップ会議を7月26日に開き、検討事項の一つに新たに位置付けた。2024年度末までに対応の方向性を示す。
 フォローアップは▽時間外労働規制への対応▽品確法運用指針に基づく取り組み▽生産性向上▽担い手確保―を柱とする。
 時間外労働の罰則付き上限規制の適用後は、生コンクリートの圧送のように車両を現場まで運転する「回送」を伴う協力業者も対応に苦慮。資材運搬を担う運送業などの物流業界も建設業と同様に時間外労働規制が強化されており、元請け業者以外の関係者への対応が課題になっている。
 フォローアップ会議では、こうした課題認識を国交省と日建連で共有。まずは実態を把握した上で、どのような対策が必要か、現場の事例を踏まえながら検討することにした。
 現場の土日閉所による完全週休2日の実現も引き続き検討課題に位置付け、課題の把握と対策の検討を進めることとした。
 特に工事書類の多さが時間外労働削減のネックとなっていることから、各地整で整備した書類削減のガイドラインが監督職員にまで周知徹底されるよう対応策を考える。
 品確法運用指針に基づく取り組みでは、総合評価で価格点を段階的に評価する仕組みの導入を検討事項に位置付けた。わずかな入札価格の差だけで落札者を決めるのではなく、より技術力重視の総合評価落札方式への転換を模索する。
 生産性向上では、民間開発技術の現場実装に向けた仕組みづくりを議論する。新技術の採用を受注者から提案しやすくする方策や、遠隔臨場のさらなる改善策を考える。ICTを活用した施工管理の促進に向け、通信環境の確保策や、そのための費用負担の在り方もテーマとした。現行の遠隔臨場などでは、見積もり計上で対応することが多いという。
 技術開発の促進に向け、企業間の協調領域の設定を検討する。現場実装を加速させるため、試行工事の実施も視野に入れる
 担い手確保の関連では、関東地方整備局などが試行している監理技術者育成交代モデル工事について、交代のタイミングを概略工程表で示す取り組みの効果を検証する。

提供:建通新聞社