厚生労働省がまとめた2023年の労働安全衛生調査によると、過去1年間でメンタルヘルスの不調により1カ月以上休業したり、退職した労働者がいたりした建設業の事業所は、全体の10・3%となり、前年度から1・0ポイント減少した。
建設業の状況を見ると、メンタルヘルスの不調で「連続1カ月以上休業した労働者がいた」と回答した事業所は6・7%で、1・5ポイントの減少。「退職した労働者がいた」事業所は4・5%で、こちらも0・2ポイント減少した。
全産業の平均では、情報通信業や電気・ガス・熱供給・水道業などの割合が高く、0・2ポイントアップの13・5%だった。
また、労働災害防止対策についても調査。雇い入れ時に教育を実施している建設業の事業所は、80・0%だった。就業形態別では、正社員に対しては80・0%の事業所が教育を行っている一方、契約社員は23・5%、パートタイム労働者は19・5%にとどまっている。教育を行っていない事業所は17・1%だった。
労働者の安全の確保に向けたリスクアセスメントに取り組む建設業の事業所の割合は90・9%と高い結果となった。中でも「高所からの墜落・転落」が93・9%と最も多く、「作業に用いる建設機械などの危険性」が90・6%で続いた。
同調査は、常用労働者10人以上を雇用する民間事業者から無作為に約1万4000事業所を抽出し、23年10月31日時点の状況を調べた。
提供:建通新聞社