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2024/07/29

3Dモデルと図面を連動 直轄工事で試行検証

 国土交通省は2024年度、BIM/CIMによる関係者間の情報共有・連携の実効性を高めるため、3次元モデルとともに、連動を担保した2次元図面の作成を求める。直轄事業のコンクリート構造物と土構造物の設計業務でそれぞれ試行し、設計精度の向上や設計の効率化につなげる。将来的には3次元モデルによる設計照査の自動化を目指す。
 国交省の直轄事業では、23年度からBIM/CIMの原則適用を開始した。受発注者や関係機関の協議ではイメージ共有などの場面で活用が進展。一方で、3次元モデルと2次元図面の整合性を担保できておらず、監督検査などで活用が進んでいない課題があった。
 そこで、主構造について3次元モデルと2次元図面を連動させる取り組みを試行することにした。詳細度は「300」を求める。精度確認については、従来の2次元図面と同様の箇所を対象とし、全ての箇所の精度を詳細に求めることはしない。従来手法で2次元図面を作成していない測点間については、現地合わせで施工する。コンクリート構造物と土構造物のいずれも、3次元モデルと2次元図面の作成方法は問わない。
 コンクリート構造物については、配筋を除く構造体について3次元モデルと2次元図面を連動させる。このうち橋梁下部工の場合は、支障設置のためのアンカー孔の位置を3次元モデル上に配置する。下部工を1基ずつ発注することを念頭に、下部工間の連続性を確認できるようにする。
 土構造物については、3次元モデルと2次元図面の連動を求めるのは、ICT施工や3次元計測技術を用いた出来形管理で活用する土工部分のみとする。舗装・排水施設などの付属物には連動を求めない。
 試行方法は特記仕様書に記載する。必要な費用は別途、見積もりで計上する。かかった費用や連動の実施手順、連動の根拠などについて報告を求め、課題や実効性の高い手法を確認・検証する。

提供:建通新聞社