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2024/07/25

処遇改善へ自主宣言制度 CCUS3か年計画が決定

 国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)利用拡大に向けた3か年計画を決定した。改正建設業法に基づく「労務費の基準」に適合した労務費が技能者にまで確実に行き渡るよう、CCUSを活用して取り組む発注者や元受け、下請けを支援する「技能者を大切にする適正企業」の自主宣言制度(仮称)の2024年度内の具体化を盛り込んだ。CCUSによる現場管理の効率化も打ち出した。計画期間を通じて、技能者・建設企業の双方にとっての導入メリットを拡充していく。
 6月に提示した計画案に、CCUS処遇改善推進協議会を構成する団体からの意見を踏まえた修正を加えて決定した。計画に盛り込んだ各施策の実施年度を明確化。少なくとも年1回、実施状況をフォローアップし、必要に応じて見直しを加える。
 「技能者を大切にする適正企業」は、技能レベルに応じた賃金を支払う下請けや、適正工期・労務費で取引する発注者・元請けなどを想定。各主体がCCUSの利用環境整備に協力し、サプライチェーン全体で処遇改善に取り組むイメージだ。24年度中に基準を定め、初弾の自主宣言にまでこぎつけたい考え。25年度にかけて元請けへの経審加点、下請けの求人・給食サイドでの発信などを考えている。
 処遇改善の取り組みではこの他、建設工事標準請負契約約款に、適正な労務費・賃金支払いへの関与を条項として追加することを検討。発注者から元請けに支払った労務費を技能者にまで行き渡らせることを契約上で担保する試行取り組みについても25年度にかけて考える。
 CCUSを活用した事務作業の効率化・省力化も推進。24年度にはCCUS登録情報を労務安全システムで利用できるようにし、安全書類の作成を効率化。入退場データを生かした技能者の出面管理も25年度にかけて推進する。
 公共発注者に対し、CCUSと連動した施工体制台帳の電子閲覧の導入を働き掛ける。改正建設業法に基づく現場管理のICT指針にも、CCUSの活用を位置付ける。
 CCUSと建退共との連携では、25年度に元請け・下請け双方の事務を簡素化。CCUSとの連携による電子申請方式の普及を公共発注者に対して働き掛けることも新たに盛った。
 CCUSによる就業履歴の蓄積、能力評価の拡大にも引き続き取り組む。自治体工事でカードリーダー設置費用、現場利用料が費用計上されるよう働き掛ける。就業履歴の蓄積状況に応じた経審加点制度の創設も検討する。
 さらに、3年間で原則全ての技能者が能力評価基準の対象となるよう、専門工事業団体の基準案策定を支援する。

提供:建通新聞社