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中央ニュース

2024/07/24

一人親方への安全指示・指導 24年度中にガイドライン

 厚生労働省は、一人親方を含む個人事業者の安全を確保するため、注文者が個人事業者に指導・指示すべき内容をガイドラインにまとめる。7月23日に開いた労働政策審議会安全衛生分科会では、ガイドラインの基本的な考え方と骨子を示し、安全上の指示と指揮命令の区分、指導・指示が個人事業者の労働者性に与える影響など、指導・指示する注文者が留意すべき点や具体例を整理するとした。2024年度末までにガイドラインをまとめる方針だ。
 労働安全衛生法第29条によると、元方事業者は関係請負人などの労働者の安全衛生を確保するために安全上の指導・指示を行う必要がある。一方、業務委託契約を結ぶ場合は、仕事の内容などを指定するような指揮命令を行うと偽装請負と判断され、罰則の適用対象になるリスクがある。
 また、労働者に含まれない一人親方などの個人事業者に対しても、安全衛生を確保することが求められている。
 こうした背景を踏まえ、ガイドラインの骨子には、▽作業者の心身▽業務に関係する物(機械・設備、服装・装備など)▽現場構内のルール▽作業内容▽情報共有・情報伝達―などについて、個人事業者を指導・指示する場合の留意事項を盛り込む。作業開始前の点呼や、作業中の体調変化の把握、業務に使用する機械・設備の点検、作業に影響を及ぼす安全衛生上の指示などについて、現場の実態に即した具体例も示す。
 また、個人事業者などの安全衛生対策の実効性を高める取り組みと、労働基準監督署などへの申告内容についても検討。個人事業者は、元方事業者や注文者などが労働安全衛生関係法令に違反する事実の報告や、労働災害の報告など、一定の場合に限って労働基準監督署などに申告できることとする。
 申告を理由に個人事業者を不利益に取り扱った事業者は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる見通しだ。

提供:建通新聞社