文部科学省は「今後の国立大学法人等の整備充実に関する調査研究協力者会議」を開き、第5次国立大学法人等施設整備5カ年計画の進捗状況を報告した。老朽改善整備を約785万平方b行うことなどを目標にしていたが、期限内の達成は難しいとの見込みを示した。また、資材価格の高騰などの影響で国立大学の入札不調・不落が増加していることについて、概算要求に向けて課題解消に向けた有効な方策を検討するとした。
会議では、性能維持改修などの整備に遅れが生じているとした。老朽改善整備について千葉大学名誉教授の上野武委員は「毎年度約1000億円の施設整備費では財源が不足している」と話し、多様な財源を獲得するための方策を打ち出す必要性を強調した。
また、中間まとめの策定に向けて新たに二つのワーキンググループを設置することを決定した。「共創拠点化の推進に関するWG」では、老朽改善整備の進捗や効果を検証する。「戦略的な施設マネジメントに関するWG」では財源の多様化やカーボンニュートラルなど、有効な施設マネジメントを検証する。検証結果を踏まえ、いずれのWGもイノベーション・コモンズの実装化に向けた課題と方向性を明確にする。
WGは、2025年3月に中間報告をまとめる。
提供:建通新聞社