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2024/08/06

建設トップランナーフォーラム「DXが地域建設業の未来を拓く」C

 平賀建設の平賀健太社長は「生産性の向上は施工のスピードにある」と話す。ICT機器や建機を導入し、現場に合ったICTとその使い方をしっかりやれば利益は上がる。利益が出ないと言われた林道工事だが、ICT導入によるスピードアップと次々始める取り組みで「こんなに楽しいものはない」と。ICT導入のきっかけから取り組み内容について語った。
 同社は山梨県韮崎市に本社を置き、甲斐市、静岡県に事務所を設けている。社員数は22人。2018年11月に初めてICT建機を導入、現在はバックホウ、ブルドーザーなど約40台全てがICT建機だ。ICTの積極的な導入には、社内で掲げたオペレーター「1000万プレイヤーを創出しよう」という目標がきっかけ。6〜7年前、社員が10人ぐらいのころの話。5人で1チームを作り、1チームで1カ月1000万円ぐらいの売上。2チームで年間2億4000万円。
 IT機器が得意だった平賀社長は、自分のチームにICT測量機器、アプリ、ソフトなど1000万円を投資。運用していくと1カ月で1000万円の売り上げが25日程度で達成できるようになった。年間では約1億4000万円。うまくいったので、もう一つのチームにも1セット導入したところ、同様のパフォーマンスが出せた。人員も変わらず4000万円増となる2億8000万円の売り上げの会社になった。
 成功の理由をについて平賀社長は「生産性向上というのは、スピードだろう。施工スピード、今まで30日でやってたものが25日になったわけです。施工スピードさえあれば利益は出るんじゃないか」と語る。さらに「ただの施工スピードではなく、圧倒的な施工スピードがあれば、間違いなく現場は儲かる」との考えを示した。
 では、圧倒的な施工スピードを確立させるために必要なものは何か。それは「現場に合ったICTのテクノロジーと使い方。これをしっかりやれば、どんな現場でも利益を出せる」と力強い。
 実際の現場ではどうなのか。ICT活用工事は起工測量をして、設計データを作りICT建機を使い、出来高管理を3次元で行い、3次元のデータを納品する。このプロセスの中で、使用する方法、機器などを選ぶ際の判断基準は「とにかく、作業が一番早く終わるもの」だと。
 機器の大型化も図った。バックホウの大型化、続いて不正地運搬機器の大型化を図り生産性を向上。さらに、何かできないか模索し、盛土工と置き換え工の転圧管理システムなど現場に応じた取り組みを進め、次々と進化・深化を遂げている。平賀社長は言う。「林道工事は儲からなかったが、どうやったら生産性が上がるのか、やっぱりスピードだった。スピードが上がって生産性が上がる。3Kだとか言われるが、こんなに楽しい仕事はない」。そして、「楽しさ、やりがい、いきがい、もちろん給与も休暇も建設業界がもっと楽しくなるように、これからも林道工事をやっていきたい」と思いを語った。
(地方建設専門紙の会・日本工業経済新聞社)