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中央ニュース

2024/07/23

建設トップランナーフォーラム「DXが地域建設業の未来を拓く」A

 砂子組(北海道奈井江町)は、入社4年目となる企画営業部ICT施工推進室の高畠優花さんが自社のDXの取り組みを発表した。本社を置く空知地方の基幹産業を支える農業基盤整備で、ほ場の大区画化にICT施工を導入し、スマート農業との連携を地域にアピールしながら工事を進めていることを伝えた。
 ICTやDXなどの新しい技術は今、業界で必要とされる新しい仕事につながる。個人スキルとして身に付けることで「私たち若手が自分の成長を評価され、選ばれ、稼ぐことができる建設業になるために、このような変化や進化が不可欠」と若手技術者として将来への思いを述べた。
 現場ではドローン計測、3次元データなどをもとに関係者との事前打ち合わせに力を入れ、数量算出や現場の不整合を発見する。その上でICT建機を用いた施工をし、生産性の向上と全体最適を目指している。複数のブルドーザーを使って大規模に施工を進める自社の現場の様子を動画で説明した。
 農業との連携では、施工プロセスの中で取得したデータを社会循環させるため、農林水産省が推奨するガイドラインを参考に、区域の位置情報データを提供して実証実験に役立てていることも伝えた。スマート農業を展開するロボットトラクターやドローンの自動運転の効率化を図ることができる。
 人材の育成、確保に向けて、地元の岩見沢農業高校では2018年からICTにかかわる授業を始めた。実は高畠さんも卒業生だ。もともと重機オペレーターをしていた父親と同じ仕事がしたくて土木学科がある同校を選んだが、ICTの授業と出会い刺激を受けたことで、ICTを仕事にするという固い決意を持ち、現在に至っている。
 同校は農業生産の学習をする農業科学科や土木施工技術を学習する農業土木工学科など7つの学科で構成する。今後、各産業が情報でつながり、持続可能な循環社会に対応できる人材育成が求められる中で「統合的なDX教育が可能となる」と展望した。
 社内DX教育の一環として、若手社員が中心となって進める「砂子雪まつり」の取り組みも紹介した。GNSS測量機やUAVによる位置誘導をしてスノーアートを作り、親子重機乗車体験やAR体験ブースを企画するなど「楽しく学びながら、やりがいも感じている」と効果を実感。こうした新しい取り組みに影響を受けた新入社員が入職することも想定し、現業社員の育成も新しいスタイルに進化させていくことに意欲を見せた。
「スマート農業、日本の食料生産に貢献していると実感するのが嬉しい。今後も技術を磨いて、地方からの情報発信を続けたい」と結んだ。
(地方建設専門紙の会・北海道建設新聞社)