国土交通省は7月18日、建築BIM環境整備部会を開き、BIMを活用した建築確認申請の開始に向け、取り組み状況を報告した。2026年春に、BIMで作成した図面データによる建築確認、29年春にはBIMデータによる建築確認を開始する。整合性の高い申請図書の作成とオンライン申請によって、作業の効率化と審査期間の短縮が期待できる。
同部会は、BIM図面審査ガイドライン(素案)を作成し、審査の手順などを整理した。申請者は、国交省が今後定める「入出力基準」に基づいてBIMデータを作成し、従来と同様の申請図書をPDF形式で提出する。
この他、コンピューター上に再現した建物の立体モデル(BIMモデル)のIFCデータと、設計者チェックリストも提出する。設計者チェックリストは、設計者が入出力基準に従ってデータを作成したことを申告する書類で、データの整合性を裏付ける。
データの提出先は、国交省が確認申請用に開発しているクラウドの共通データ環境(CDE)で、全てオンラインでの申請が可能となる。
今後、24年度内にBIM図面審査ガイドラインの内容を固め、審査手順の詳細を示すマニュアル案や入出力基準などのツール案を作成する。25年度に確認申請CDEのシステムを構築し、26年春から運用を開始するBIM図面審査の周知と準備を行う。
また、さまざまな人がBIMデータを活用できるようデータの標準化と連携を図り、建設業界全体の生産性向上の実現を目指す。意匠設計や構造、設備、施工・製作、データ整合、積算の分野で使用される用語を整理し、辞書的に使用できる「標準パラメータリスト(案)」を25年2月ごろに作成する。
外部データとの連携手法も確立し、異なるソフトウエア間でも支障なくデータ連携できる環境を整備。
将来的には建築確認申請の審査対象にBIMモデルのIFCデータなどを加え、29年春には標準化されたBIMデータでの建築確認を開始する方針だ。
提供:建通新聞社