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2024/07/16

上下水道一体で耐震化 自治体の対策後押し

 国土交通省は、能登半島地震で上下水道に甚大な被害が及んだことを踏まえ、全国の水道事業者、下水道管理者による上下水道の地震対策を後押しする。耐震性確保の優先度が高い施設を示し、点検を要請。その結果を基に2024年度末までに耐震計画の策定・更新を求める。計画に基づく対策事業の支援方策も検討する。
 全国の水道施設の耐震化率は22年度末時点で40%強にとどまっている。斉藤鉄夫国交相は会見で「非常に遅れている」との認識を示し、耐震点検を急ぐ考えを強調。能登半島地震で大規模な断水の要因となった上水道の浄水場や配水池、下水道の処理場といった基幹的な施設と、それらに接続する管路の緊急点検を進めるとした。避難所などの重要施設に接続する管路や、簡易水道も対象に含める。
 このため、点検対象、内容などを示した調書を水道事業者、下水道管理者に発出する。10月末までに結果をまとめて公表する。
 点検結果を踏まえて、上水道・下水道の双方について、耐震計画がなければ策定を、策定済みの計画があれば更新を求める。同一の重要施設に接続する上水道、下水道は足並みをそろえて耐震化するなど、連動した取り組みを促す。
 上水道の整備・管理行政が4月から国交省に移管されたことを生かし、自治体などによる上下水道一体での耐震化を後押しする方策も検討する。
 平時からの上下水道の維持管理体制も強化する。上下水道のメンテナンスを効率化するのに役立つDX技術のカタログを24年度中に策定する。人工衛星やビッグデータ、AIを活用した管路の劣化予測システム、漏水発見の効率化に向けたスマートメーターなどの記載を想定。有望な既存技術をまとめ、施設管理者に活用してもらう。
 今後5年程度でこうした新技術の標準化を目指す。民間企業に対しては、上下水道の事業運営の効率化につながる技術開発を促す。

提供:建通新聞社