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中央ニュース

2024/07/03

地域インフラ群管理 自治体技術者の育成が課題

 国土交通省は7月2日、自治体や施設分野の枠を超えたインフラ群の管理(群マネ)を議論する有識者検討会を開き=写真=、具体化に向けた論点を示した。自治体の体制確保に向け技術系職員の育成が課題として挙がった。座長の家田仁政策研究大学院大学特別教授は、大学がマネジメントの”知の拠点”となるイメージを提唱した。
 自治体の技術系職員は、土木分野を中心として減少傾向が続く。自治体の枠を超えて道路を管理したり、道路・水道を一体で修繕するような群マネの実現に向け、国交省は▽産学官による自治体技術者の育成▽自治体間連携による技術的な補完体制の構築―が必要になるとした。具体例には、新技術の活用促進を専門家派遣で後押しする国交省の事業や、奈良県による市町村職員の技術指導を挙げた。
 委員からは、岐阜大学のメンテナンスエキスパートのような、大学による人材育成の取り組みを国交省として後押しする仕組みを求める意見が出た。
 自治体とメンテナンスを担う事業者の役割分担も論点となった。これまで自治体の技術系職員が担ってきた計画立案やメンテナンス全体の管理について、包括的民間委託やPM、CMのように民間に委ねる範囲を拡大する方向性を提示。自治体の責務として果たすべき業務の範囲も議論された。
 家田教授は、平時のメンテナンスに加えて災害時の復旧も担う地域インフラマネジメント産業の必要性を指摘した。地域の建設業に加え、建設コンサルタントなども含めた連携体制を構築するイメージだ。
 インフラの特性、自治体の課題に応じた自治体間の連携手法の在り方についても議論していく。複数自治体による共同機関の設置や、自治体間での事務委託、共同発注などのパターンがあり、事例に応じた連携の在り方をわかりやすく整理していく。

提供:建通新聞社