改正建築物省エネ法・建築基準法が全面施行される2025年4月を控え、きょう6月28日に主な省令が公布される。特に重要になるのが、新築建築物の全てに省エネ基準への適合が義務化されるのに合わせ、急増が見込まれる省エネ適合性判定の着実な実施だ。国土交通省は今夏以降、事業者・審査者向けの説明・講習会を本格化。建築確認審査の厳格化によって着工の遅れが多発した07年の建築基準法改正を教訓として、新制度の周知徹底を急ぐ。
6月27日に設計者団体、建設業団体、審査者関係団体などで構成する連絡会議を都内で開催。円滑施行に向けて、▽改正事項と国の発信情報の周知徹底▽団体会員を対象とした改正法に基づく説明会・講習会の実施▽円滑施行に向けた団体・地域ごとの取り組みの共有、支援―を求めた。
事業者向けの主な周知方策を見ると、今秋に最新版の制度説明動画の配信を開始する。中小の工務店や建築士向けには、手続きや基準に関する設計等実務講習会を10月〜12月に行う。断熱施工実技研修会は7月上旬にも予約を受け付け、8月から都道府県単位で実施する。この他、関係団体の協力を得て説明会を開く。
審査機関向けにも制度説明やマニュアルの周知、省エネ適判講習会などを実施する。
25年4月からの施行内容は、木造住宅に認めている建築確認の省略の見直しや、小規模木造建築の壁量基準の見直しなど多岐にわたる。中でも、住宅や小規模建築を含めて全ての新築建物に省エネ基準への適合を原則化する改正の影響は大きい。省エネ適合性判定の年間件数が現行の1万〜1万4000件から、20倍程度に増えると想定されることから、審査手続きの合理化や適判員の要件見直しの周知に注力する。
12月に開く次回連絡会議で周知状況を把握し、施行前の準備を整える。
提供:建通新聞社