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中央ニュース

2024/06/27

土砂災害リスクの情報基盤 登録・活用促進策を検討

 国土交通省は、土砂災害防止法に基づく基礎調査結果のデータベースへの登録促進と、政策立案での活用方策を検討する。実際に発生した土砂災害と、調査に基づく土砂災害警戒区域とを照らし合わせて検証したり、安全な土地利用へと誘導する際の参考にしたりする。データ公表の在り方も考える。
 6月26日に初会合を開いた、土砂災害防止対策推進検討会で表明した。社会資本整備審議会河川分科会の小委員会が、土砂災害防止に向けて答申した検討課題について、検討会で対応を議論する。
 土砂災害防止法では、都道府県が地形・地質を踏まえて机上と現地での基礎調査を実施することを規定。この結果に基づき土砂災害警戒区域が指定される。国交省は専用のデータベースを構築し、基礎調査などの情報登録を今年5月から開始した。今後はデータの円滑な登録や、活用の高度化を検討する。国交省本省以外には使用制限を課しているが、公表の在り方についても別途、検討を深めるとした。
 土砂災害警戒区域の指定基準の改良も進める。2023年に発生した土砂災害の箇所は1471件で、このうち警戒区域内の箇所は約8割に当たる1143件だった。残る区域については、高精度な地形情報を使えばリスクのある箇所として抽出が可能であるか、もしくは比較的小規模な被害だったという。今後、さらなる分析を加え、リスクをより適切に把握できるようにする。
 26日の検討会ではこの他、リスクがある箇所に立地する住宅などへの移転勧告の運用、まちづくりと連携した砂防事業などの安全対策もテーマとなった。
 土砂災害警戒区域が指定されている市町村のうち、98・6%がハザードマップを公表していることを説明。24年度中に100%に引き上げ、今後はマップの認知度向上に取り組む。

提供:建通新聞社