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中央ニュース

2024/06/26

技術提案で仕様変更 25年度から試行

 国土交通省は、技術提案評価型で発注する直轄工事のうち、特に高難易度なものを対象に、提案によって仕様や工法の変更を認める「S−1型」(仮称)を2025年度から試行する。価格に加えて生産性や脱炭素化への寄与を考慮し、総合的に価値の高い資機材、工法を選ぶことを発注者の責務と位置付ける、改正品確法を踏まえた対応だ。
 S−1型では、仕様や工法の変更による品質向上が期待される内容について、「技術向上提案」を求める。提案内容は当初契約時の仕様には反映せず、発注者の指示により変更契約の対象とする形で運用する。契約変更金額は当面、予定価格の5%を上限とする。
 対象とする工事は、発注者が標準的な仕様案を決定できるもののうち、不確実性があったり、新技術や資機材、工法などによる提案の余地が大きな案件。従来の技術提案S型と、仕様を確定できない場合に適用されるECI方式との中間に当たるイメージだ。
 当初の仕様と異なる提案を受け入れられるようにすることで、施工者の知見を円滑に取り入れて課題解決につなげる。また、トンネルや橋梁、ダムなど比較的大規模な工事でも試行し、コストがネックとなっている省人化技術、脱炭素化資材の普及を促進する。
 技術提案評価の見直しでは、S−1型とは別に、加算点の拡大も試行する。技術提案に基づく加算点にほとんど差がつかず、入札価格が低入札調査基準価格付近に集中しているという実態を踏まえたもの。標準点100点に対し、現行では加算点60点のウエートが小さいことから、加算点を拡大したときに建設業者が入札価格を見直し、引き上げるか否かを確認する。
 また、過去に繰り返し設定されてきた技術提案テーマほど点差がつきにくい傾向があることも分かった。そこで、可能な内容は仕様として標準化し、技術提案テーマではより高度な内容を求めていく方向だ。
 6月25日に開いた「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の部会で提示した。24年度中に運用方法や対象工事を選定する。25年度の試行開始後はフォローアップ調査も行う。

提供:建通新聞社