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中央ニュース

2024/06/24

労務費支払いを表明保証 CCUS3か年計画案

 国土交通省は6月20日に開いた建設キャリアアップシステム(CCUS)処遇改善推進協議会で、CCUSの利用拡大に向けた3か年計画案を提示した。適正な労務費・賃金支払いの表明保証の試行や、「技能者を大切にする適正企業宣言制度」(仮称)の創設を盛り込んだ。2026年度までの3年間を、改正建設業法と一体となった処遇改善、業務効率化の「メリット拡大フェーズ」と位置付ける。
 表明保証の試行は、契約に際して適正な労務費の支払いをあらかじめ表明し、元請けから下請けへの労務費支払い、下請けから技能者への賃金支払いを担保するもの。「労務費の基準」の作成・勧告を規定する改正建設業法の施行に先立ち、重層下請け構造における労務費の適正支払いを試行する。4月から体制を倍増させた建設Gメンが、発注者を含む幅広い関係者への実地調査を行う。
 労務費の基準で賃金原資を確保した上で、CCUSの技能レベルに応じた賃金支払いの徹底も求める。このため、労務費の基準とレベル別年収との関係を整理する。
 発注者や元請け、下請けを含めてサプライチェーン全体での技能者の処遇改善に向けた取り組みを後押しする仕組みとして、「技能者を大切にする適正企業」の自主的宣言制度を創設する。表彰や経営事項審査での加点など、インセンティブの導入、推進目標の設定を考える。
 改正建設業法に基づく労務費見積書の作成も盛った。CCUSレベルを内訳明示できるようにし、見積書を作成する下請け業者の差別化を促進する。労務費の基準とCCUSとの連携や、CCUSレベルに応じた賃金支払いの確認システムの構築も検討事項とした。
 CCUSを活用した現場管理の効率化にも取り組む。CCUS登録情報と労務安全システムとの連携、入退場管理での活用などを推進。CCUSを用いた施工体制台帳の電子閲覧を促進する。改正建設業法に基づくICT指針にCCUSを活用した現場管理の効率化を位置付ける。
 CCUSによる就業履歴の蓄積を促進するため、地方自治体への働き掛けを強める。カードリーダーの設置費用や現場利用料が適切に計上されるよう、直轄モデル工事の現場管理費率の活用を促す。就業履歴の蓄積に応じた経審での加点も検討する。
 今後3年間で原則全ての技能者が能力評価基準の対象とするよう、専門工事業団体の基準案策定を支援する。多能工に関する評価基準のルールづくり、住宅建築分野での基準策定も盛った。

提供:建通新聞社