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2024/06/20

低炭素型コンクリート 材料・工種を拡大

 国土交通省は、直轄土木工事で試行している低炭素型コンクリートの導入で、対象となる材料・工種を2024年度から拡大する。セメントを置き換えるための材料について、従来の高炉スラグ微粉末だけでなく、フライアッシュやシラスであっても認める。これまでプレキャストのみとしていた工種の制限もなくす。
 道路、河川工事などで幅広く使われているコンクリートに由来するCO2排出量の約9割は、製造過程でセメントが放出する分が占めている。低炭素型コンクリートは、セメントを55%以上、別の材料に置き換えることでCO2排出量を大きく低減する。
 低炭素型コンクリートの試行工事は22年度に開始しており、これまでに28件を実施してきた。対象は護岸ブロックや連接ブロックなど。CO2排出量の削減に加え、調達・施工上の課題を検証した。試行工事でもコストが変わらない案件が全体の約半数を占めた一方で、最大で2割程度コストアップした現場もあった。
 24年度からは、従来の高炉スラグだけでなく、石炭を燃焼させる際に発生するフライアッシュや、火山活動の噴出物であるシラスなどもセメントの置換材として認める。材料の選択肢を増やすことで、低炭素型コンクリートを活用しやすくする。
 さらに、対象工種を2次製品だけでなく現場打ちを含めて拡大。積極的な試行を促していく。
 インフラ整備に起因するCO2排出の大きな割合を占めているコンクリートの低炭素化は、カーボンニュートラルに向けた直轄工事の取り組みの柱となっている。電動建設機械の認定対象の拡大、購入経費の一部補助(環境省)などの施策と合わせ、材料と施工の両面でCO2排出の削減を進める。
 一連の取り組みと並行して、脱炭素化効果の評価手法の検討も推進。削減できたCO2排出量を定量的に把握できるようにし、優れた技術や製品の選定・活用につなげる。

提供:建通新聞社