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中央ニュース

2024/06/18

新技術の社会実装を加速 総合的な評価の仕組み検討

国土交通省は6月14日、社会資本整備審議会・交通政策審議会技術部会に設けたワーキンググループの初会合を開き、新技術の社会実装の加速に向けた議論を開始した。価格だけでなく生産性や工期、脱炭素化を考慮し、総合的に価値の高い技術を採用・評価する仕組みの在り方などが論点に挙がった。2024年度内に議論をまとめ、技術政策に生かす。
 ワーキングでは、インフラ整備・維持管理における技術政策について、社会・経済的側面を含めて分野横断で話し合う。人口減少や自然災害の激甚・頻発化、インフラ老朽化といった課題と、デジタル化・脱炭素化の推進という社会的な要求に応える技術政策の在り方を示す。
 座長に就いた政策研究大学院大学の小澤一雅教授は、「速やかに技術を社会実装する仕組みが問われている」と指摘した。
 14日の会議では、価格以外の要素を踏まえて技術を評価する仕組みづくりが論点の一つとなった。工事発注時の総合評価だけでなく、発注者側が技術を指定したり、選択する際の仕組みなども射程に入れる。
 中長期的な視点に立った技術開発を促す方策についても議論する。社会実装のために必要な体制を構築し、行政主導により事業単位で開発、実装、普及させる道筋も論点となった。スタートアップなど、異分野の技術を取り入れる取り組みや、インフラ分野のデータ連携も考える。
 ICT施工や遠隔臨場など、新技術活用の進展に伴って直轄事業では技術的な要領、マニュアルが大幅に増大、複雑化した。技術実装を加速させるため、マニュアルの改定・統合や、規定内容の緩和についても検討する。
 まずは、持続可能な経済成長を支える基盤の整備と、精度・品質など技術に対する社会の信頼性の確保策について、8月中に議論をまとめる。このため、製造業や農業のような、異分野の技術実装の状況についてワーキングでヒアリングする。
 その後、日本の技術の強みを生かした国際展開と、研究開発・活用を支える人材育成について議論をすすめ、24年度末にまとめる。成果は、国交省の技術政策の方向性を示す次期技術基本計画に反映する。

提供:建通新聞社