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中央ニュース

2024/06/17

改正入管法・育成就労法が成立 27年にも

 育成就労制度の設置を柱とする改正入管法・技能実習法が6月14日の参院本会議で可決、成立した。入管法で育成就労の在留資格を認め、技能実習法の法律名を「育成就労法」に改める。3年間の就労期間に特定技能1号水準の技能を持つ外国人労働者を育成し、各産業の人材確保を図る。合わせて、転籍の制限も緩和する。2027年までに施行する。
 育成就労法では、外国人労働者ごとに育成就労計画を作成し、外国人育成就労機構(現・外国人技能実習機構)の認定を受ける。業務・技能・日本語能力などの目標や、受け入れ機関の体制、送出機関に支払った費用などが基準に適合するか確認し、認定する。
 外国人労働者の権利保護も強化。就労後1〜2年を経過すれば、本人の意向で転籍できるようになる。転籍には、技能検定試験や日本語能力試験の合格、転籍先の適正性などが必要だ。
 監理支援機関への外部監査人の設置によるガバナンス強化や、外国人労働者をサポートする外国人育成就労機構の設立なども盛り込んだ。
 改正入管法には、育成就労の創設の他、外国人に不法就労させた場合の不法就労助長罪の厳罰化、永住許可の明確な要件などを盛り込んだ。
 参院法務委員会では、転籍要件となる就労期間を施行から3年後に見直すことなど、外国人労働者の処遇改善とさらなる活躍に向けた配慮を求めた。具体的には、雇用年数に応じて雇用条件を向上するための雇用契約書の整備や、安全衛生管理体制の強化、外国人労働者の雇用管理に関する法令の在り方検討などを求めている。
 また、外国人労働者は育成就労開始時にA1、転籍時にA1〜A2相当の日本語能力が必要だ。日本語教室が少ない地方でも適切に支援が行き届く機会の創出も求めた。

提供:建通新聞社