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中央ニュース

2024/06/13

第3次担い手3法が成立 処遇改善で担い手確保

 改正品確法が6月12日の参院本会議で可決、成立した。7日に成立した改正建設業法・改正入札契約適正化法と一体の「第3次担い手3法」として、担い手の休日・賃金の確保を制度化。深刻化する人手不足や、近年課題となった資材価格高騰への対策を盛り込み、持続可能な建設業の実現へ道筋をつけた。
 議員立法の改正品確法では、担い手確保と地域建設業の維持、生産性向上を柱として、公共工事が先導的な取り組みをけん引する施策を盛り込んだ。改正建設業法では民間工事を含めて請負契約において順守すべき内容を定める。
 いずれも、人口減少に伴って深刻さを増している人手不足や、近年顕在化した資材価格高騰の労務費へのしわ寄せリスクを踏まえ、建設業の事業環境や請負慣行を変えようとするものだ。
 改正品確法では、労務費・賃金の支払い実態を国が把握・公表し、施策を策定・実施することを規定。資材価格の労務費へのしわ寄せを防止するため、スライド条項の運用基準の設定を発注者の責務に追加する。
 休日の確保に向け、国が実態を把握・公表することも盛った。地方自治体の各部局が足並みをそろえて平準化に取り組むよう、工事発注部局の連携を求めている。
 担い手確保の環境整備では、訓練法人支援や学校と建設業界の連携、外国人を含めた多様な人材確保を位置付けた。
 地域建設業が存続できるよう、地域の実情を踏まえた適切な条件・発注規模による発注を明記。災害対応工事での労災保険契約の締結を促進し、予定価格に反映する。
 生産性向上では、脱炭素化の促進や新技術活用に対する適切な評価、予定価格への反映への配慮を求めている。
 一連の取り組みの実効性を確保するため、発注職員の育成支援や発注事務の実態把握・助言を国・自治体の努力義務とする。発注体制の整備に取り組むよう、国交省が発注者に助言・勧告できるようにした。
 改正建設業法・改正入契法では、労働者の処遇を改善するために順守すべき、最低限のルールを整える。中央建設業審議会が労務費の基準を作成・勧告できるようにし、これを下回るような著しく低い労務費による見積もりや見積もり依頼を禁止。違反した発注者には国交大臣、都道府県知事が勧告・公表できるようにする。原価割れ契約の禁止を受注者にも導入し、ダンピング競争をけん制する。
 資材価格高騰への対応では、請負額に影響するリスク情報の発注者への提供を受注者に義務化するとともに、価格高騰時の請負代金額の変更方法を契約書記載事項として明確化。価格高騰が顕在化し、受注者が契約書に沿って契約変更を申し出たときは、注文者に誠実に協議に応じる努力義務を課す。
 長時間労働の抑制へ、著しく短い工期での契約を受注者に対しても禁止。ICTを活用した現場技術者の専任義務の合理化などを通じ、建設業の生産性向上を後押しする。

提供:建通新聞社