トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2024/06/11

防衛施設強靱化推進協会が発足

 防衛施設の整備推進へ建設業者の立場から提言する―そんな役割を掲げ、防衛施設強靱(きょうじん)化推進協会が5月に発足した。防衛省は全国の基地・駐屯地を再編・強靱化する最適化事業を本格化させており、工事量の急増が見込まれる。人手不足が深刻化する中、工事をいかに円滑に進めるのか。会長に就いた乘京正弘飛島建設社長=写真=は「(受発注者の)オープンな意見交換の場が必要だ」と強調する。
 協会の当面の目標は、防衛省との意見交換の場を今夏にも持つことだ。国土交通省、農林水産省などの主要な発注官庁に対しては、建設業界側から要望、意見を伝える団体があるものの、防衛省に対して要望する団体はなかった。
 27年度までに約4兆円規模の契約を見込む防衛施設最適化事業が本格化する中、執行に向けた体制づくりは受発注者ともに手探りの状態だ。「こうすれば建設業界は進めやすいとか、スタートの段階から伝えれば、発注者もやりやすいのでは」と乘京会長は話す。
 設立当初の会員企業は、建設会社10社と設備会社2社、建設コンサルタント会社4社。資材メーカーを含め、防衛施設に関係する企業については今後も幅広く参加を募る方針だ。乘京会長は「地元業者の理解がなくては」とも述べ、地域建設業も含めて参加を募るとともに、本部・支部の構成など協会の在り方を検討していく。
 法令順守の徹底に向け、協会内にはコンプライアンス部を設置した。受発注者間の意見交換の透明性や、協会内部の規律を担保する。
 協会の設立趣旨には、建設業者がこれまでに培った知見を防衛施設整備に生かし、「平和と安全に貢献する」とうたった。今後は会員向けに防衛施設の見学会なども計画。安全保障環境や部隊運用などの背景を理解した上で施設整備に関する提言ができる体制を整える。
 防衛施設が被災した際に復旧活動に協力する防災協定の締結も検討している。災害だけでなく、有事の対応も視野に入れ、どのような協力が可能か調査する。これまで議論のなかった分野だけに、慎重な研究を経た上で、個々の会員企業の対応を考えることになりそうだ。
 設立時の会員企業は次の通り。
 ▽安藤ハザマ▽奥村組▽熊谷組▽鴻池組▽五洋建設▽佐藤工業▽戸田建設▽飛島建設▽西松建設▽前田建設工業▽浅海電気▽八千代電設工業▽梓設計▽泉創建エンジニアリング▽オリエンタルコンサルタンツ▽協和コンサルタンツ

提供:建通新聞社