土木学会(田中茂義会長)は6月6日、会長特別プロジェクトとして進めていた「土木の魅力プロジェクト」の成果を発表した。「自分の言葉で伝える土木」をテーマに田中会長自らが出演したコンセプトムービーを公開したり、カードゲーム「ドボ・シティ」などを作成。土木のステイタスアップを目指し、高い専門能力を持つ技術者に「土木技師」の称号を与え、社会的評価を高めることも提案した。
プロジェクトは、田中会長が就任した昨年6月から1年かけて進めた。田中会長を委員長とする土木の魅力向上特別委員会に土木の魅力発信とステイタスアップのための小委員会を設置し、プロジェクトを進めた。
田中会長がコンセプトムービーに出演したり、建設系ユーチューバーと対談する動画を配信、ラジオにも出演した。中高生に土木を知ってもらうためのカードゲームも開発した。過去のプロジェクトをアーカイブする活動の一環として、黒部ダムの現場に携わった技術者の体験談を収録した動画も制作した。
土木のステイタスアップを目指し、技術者同士が職場の環境づくりについて話し合う集中討議を前橋市内で開催。次世代を担う児童や生徒、保護者らに土木の必要性を認識してもらうための交流イベントも開いた。
土木技術者個人のステイタスを高めるため、「土木技師」の称号を創設することや、技術者個人の業績を明示することも提案した。
田中会長は6日の会見で、「土木の世界が社会からリスペクトされることが大切。そのためには、土木の世界が国際性、希少性、創造性を高めていく必要がある」などと話し、1年間のプロジェクトの成果を振り返った。
提供:建通新聞社