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2024/06/06

全建会長に今井氏選任「建設業を憧れの産業に」

 全国建設業協会(全建)は6月4日に開いた定時総会で新理事を選任し、2024年度の新体制を決めた。総会後の理事会で会長に選ばれた今井雅則氏(戸田建設代表取締役会長)=写真=は、「地域建設業が一致団結して『地域の守り手』としての社会的使命を果たす」との決意を示した上で、「建設業に携わる人たちや建設業を目指す若者が、夢と誇りを持って活躍できる、希望に満ちた憧れの産業となるよう力を尽くす」と強調した。
 2期4年の任期を終えた奥村太加典前会長が退任し、東京建設業協会(東建)の会長を退任していた今井氏が、全建の第16代会長に就いた。副会長4人のうち3人が交代し、新たに大阪建設業協会の錢高久善会長、静岡県建設業協会の石井源一会長、徳島県建設業協会の西村裕会長が副会長に就任した。千葉嘉春副会長(宮城県建設業協会会長)は再任された。
 総会後に会見した今井会長は「担い手不足をはじめとする問題を抱え、建設業は存続の危機に陥っている」との危機感を示した。
 副会長も、「まずは働く人たちが将来の展望を持てることが大切」(錢高副会長)、「大学にも土木・建築学部がなくなっている。魅力ある産業づくりが重要だ」(千葉副会長)、「今まで以上にイメージアップし、若年層の入職を増やしたい」(石井副会長)、「これまでできていたことが人手不足でできなくなる恐れがある」(西村副会長)とそろって担い手不足への懸念を示した。
 今井会長は、「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化などの予算を見える化してほしい」とも発言。「数年単位で先の予算が見えないと、人の手当てや設備投資に踏み込めない」と強調し、全建として政府に要望を続けていく考えを示した。
 具体的には、国土強靱化基本法に位置付けられた実施中期計画について、「早期に具体化してほしい」と述べ、「中長期の計画だけでなく、単年度の事業費も明確にしてほしい」と続けた。
 総会後の懇親会に出席した斉藤鉄夫国土交通相は「業界をさらなる発展に導いてくれることを期待している」と今井会長にエールを送り、「建設業が未来への前向きな新3K、給与がよく、休暇がとれ、希望が持てる魅力的な産業となるよう、国交省も力を合わせていきたい」と続けた。

提供:建通新聞社