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2024/06/05

年度内に外国人向け安全表示 労働災害を防止

 厚生労働省は、外国人労働者の労働災害件数を減らすため、絵やピクトグラムを使った直感的に理解できる安全表示を開発し、年度内にもホームページ上で公表する。無料でダウンロードできるようにし、現場への掲示を推奨する。近く有識者を交えた委員会を開き、10〜20種の安全表示の開発に取り組む。
 技能実習や特定技能などの在留資格による外国人労働者数の増加に伴い、外国人労働者の労働災害も増えている。2023年の死傷者数は5672人で、労働者1000人当たりの死傷者数(千人率)は2・77人。日本人を含む全労働者の千人率2・36人よりも高くなっている。
 技能実習と特定技能に限ると、経験の浅い10〜20代の外国人労働者が、もともと労災件数の多い建設業と製造業に偏って働いているため、死傷者数が多く、千人率が4人を超えているのが課題だ。
 厚労省は、安全衛生の漫画教材を11カ国語で公表し、日本人も含め経験の浅い労働者に配布しているが、さらに現場内にも視覚的に注意喚起する案内表示を掲示してもらい、労災の防止につなげる。
 また、外国人労働者にも伝わる「やさしい日本語」などを教える事業者向けのセミナーも開き、職場での危険を知らせるコミュニケーション不足を防止する。
 27年度までに母国語や視聴覚教材を使って外国人労働者向けの災害防止教育を行う事業場を50%以上にし、外国人労働者の千人率を全体平均以下にする方針だ。
 建設業における23年の外国人労働者の死亡者数は全業種の中で最も多く、技能実習が4人、特定技能が1人、身分に基づく在留資格が4人など合計15人。死傷者数は、技能実習が570人、特定技能が119人、身分に基づく在留資格が176人など合計997人だった。

提供:建通新聞社