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2024/06/04

中規模非住宅の省エネ基準 26年度から引き上げへ

 国土交通省と経済産業省は、面積300〜2000平方bの工場や事務所、学校といった「中規模非住宅」に課す省エネ基準を2026年度から引き上げる。現行の一次エネルギー消費量基準(BEI)「1・00」よりも厳しくし、「0・75〜0・85」とする。6月3日に開いた社会資本整備審議会と総合資源エネルギー調査会の委員会の合同会議で基準案を示した。
 建築物省エネ法では、建物の種類や規模に応じて省エネ基準を定め、建物新築時に適合を求めている。判定には、照明や給湯、家電に基づくエネルギーの消費量と、窓や外壁などの外皮性能から算出したBEIを用いる。BEIが低いほど省エネ性能は高く、中規模非住宅に現在求めている水準は1・00。
 26年度から適用する基準案を見ると、▽工場等=0・75▽事務所、学校等=0・80▽病院、集会所、飲食店等=0・85―とした。さらに、エネルギー基本計画に基づき、遅くとも30年度までに目指す水準として▽事務所、学校、工場等=0・60▽病院、集会所、ホテル、百貨店、飲食店等=0・70―を盛り込んだ。
 26年度、30年度のいずれの基準も、基準のわかりやすさを確保するため、省エネ化が先行している2000平方b以上の大規模非住宅建築に求めているBEIと同レベルとした。
 現状の建築の状況を見ると、工場などでBEI0・75以下を達成できているのは7割程度。事務所や学校、ホテルなどでBEI0・8以下なのは6〜8割、病院や集会所、飲食店などでBEI0・85以下なのは5〜6割程度にとどまっている。
 省エネ基準への対応を巡って両省では、「設備機器側の対応により達成可能な水準となっている」との方向性を提示。外壁や窓などの外皮の工夫により、さらに向上する余地があるとした。
 実務者へのヒアリングでは、コスト増や設計条件の見直しなど、施主の理解を要する点があるとされた。そこで、引き上げ基準を施行する26年4月を見据え、関係団体を通じた周知を急ぐ。
 委員会では、未評価の技術や新技術の早期活用が可能な体制づくりを求める意見が出た。

提供:建通新聞社