国土交通省は、直轄工事と高速道路会社が発注した舗装工事の一部で契約と異なる材料が使われていたことを受け、全国調査を行うことを決めた。過去2年間に引き渡しがあったか、または今後引き渡し予定の工事が対象。6月21日までに施工会社に報告を求める。5月31日の閣議後会見で斉藤鉄夫国交相が表明した。
4月以降、大手道路工事会社が受注した工事で、設計図書で指定していなかったにも関わらず、再生骨材を含むアスファルト合材を使用した例が相次いで判明した。斉藤国交相は会見で「NIPPOに続いて鹿島道路でも契約と異なる材料で工事が行われたことは極めて遺憾」と発言。鹿島道路に対しても、NIPPOと同様、▽品質確認試験の実施▽第三者委員会による原因究明▽再発防止策の検討▽品質確認試験の評価―を求めたことを明らかにした。
今後は、他の企業でも同様の実態がないか確認するため、地方整備局・高速道路会社が発注したアスファルト舗装工事について全国調査を行う。直轄工事ではA等級(予定価格1億2000万円以上)が対象となる。契約不適合責任を問える、過去2年間に完成した工事について、5月30日付で該当する工事を受注した会社に調査を要請する文書を発出した。
契約と異なる材料を使用していたことが分かった工事にはやり直しを求める。さらなる対応については、全国調査の結果を基に原因究明を行った上で判断する。
再生骨材は、使用済みのアスファルトを破砕したもの。アスファルトの材料として広く使用されている一方、繰り返しの再生利用には品質低下の恐れも指摘されている。
提供:建通新聞社