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2024/05/30

目立つ「賃金単価の増額」 技能者の処遇

 建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)の2023年度の調査で、自社の登録基幹技能者・職長に対し、金銭面の処遇を上乗せしている専門工事企業の割合が7割超となったことが分かった。処遇の内容を見ると、「賃金単価を増額」の割合が大きく増えた一方、「ボーナスを上乗せ」が減少し、一時的な報酬から継続的な待遇改善への移行をうかがわせる結果となった。
 登録基幹技能者に対し、金銭面の処遇を上乗せしている企業の割合は70・9%で、前年度と比べて6・2ポイント拡大した。主な許可業種別に見ると、土木工事業、大工工事業で処遇上乗せの割合が8割を超えた。一方、とび・土工工事業は65・3%で最も低かった。
 登録基幹技能者に対する処遇上乗せの内容は、「毎月、手当を支給」が36・5%で、0・8ポイント増。次いで「賃金単価を増額」が28・3%で、10・0ポイントの大幅増となった。一方、「ボーナスを上乗せ」は14・6%で、5・0ポイントのダウンとなった。毎月の賃金は一度引き上げると下げることが難しく、賃上げ局面でもボーナスの上乗せで対処する企業は多いが、人手不足が深刻化する中で、継続的な賃上げに取り組む企業が増えている可能性を示唆する結果となった。
 職長についても、処遇の上乗せを行っている割合が72・5%となり、3・1ポイント上昇。具体的な内容は、「毎月、手当を支給」が37・4%で2・5ポイントダウンした。「賃金単価を増額している」は26・0%で5・9ポイントアップした一方、「ボーナスを上乗せ」が15・6%で5・8ポイントのダウンとなった。
 月単位の給与支給額(中央値)も調べた。職階別では、▽登録基幹技能者=39万1493円▽職長=35万6962円▽日本人技能労働者=30万2690円▽外国人技能実習生=20万7675円▽外国人就労者=27万6488円―だった。建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録、技能者登録が進んでいる企業ほど給与が高い傾向も見られた。

提供:建通新聞社