全国建設産業教育訓練協会(山梨敏幸会長)が富士教育訓練センターの受講生を対象として2023年度に初めて行ったアンケートによると、建設系学科の大学・専門高校など以外からの入職者した割合は35・6%を占めた。調査結果を踏まえて協会の菅井文明氏は「高校の普通科などを含めて、建設業に入ってもらえるような環境づくりが重要だ」と指摘した。
調査は、23年4月から24年3月末までにセンターで教育訓練を受講した3309人を対象とし、821人が回答した。専門工事業団体の新入社員に対する訓練や、企業単独での研修など参加の経緯は幅広い。
最終学歴について聞くと、建設系学科の大学卒が30・0%で最も多く、次いで建設系学科の専門高校卒が18・6%だった。大学院なども含め、建設系学科の卒業者は64・4%。建設系学科以外の卒業者は35・6%となり、全体の3分の1以上を占めた。高校・専門学校に限定すると、建設系学科が54・8%、それ以外が45・2%。菅井氏は今後、普通科など建設系学科以外の出身者の占める割合が拡大する可能性があるとした。
建設業に興味を持った時期については、高校が最も多く、全体の34・4%だった。菅井氏は、建設系学科か否かを問わず、この時期に建設業の魅力を伝える必要性を強調。中学校は17・1%、小学校は19・3%となっている。
建設業に魅力を持つようになったきっかけは、「家族等からの会話」が26・1%と最多。次いで「建設工事の見学」と「テレビや動画配信サービス、SNS」がそれぞれ20・9%を占め、一定の存在感を示した。
富士教育訓練センターでは、新規入職者が減少傾向にある中、他団体とも協力し、受け身の姿勢ではなく積極的に業界の魅力発信に取り組む考えだ。
提供:建通新聞社