厚生労働省がまとめた2023年度の毎月勤労統計調査(確報、事業所規模5人以上)によると、建設業の現金給与総額(月間)は前年度比0・1%増の43万3106円となった。3年連続の上昇となったが、伸び率としては前年度(2・7%増)を下回るわずかな伸び。月間の実労働時間は0・3%減の163・4時間、労働者総数は1・1%増の270万7000人となっている。
建設業の現金給与額は、12年度に一度落ち込んだものの、13年度以降は上昇傾向にある。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、20年度にいったん低下したが、21年度からは3年連続で上昇している。
23年度の結果を見ると、現金給与のうち「所定内給与」は1・0%増の32万9194円。一方、残業代などの「所定外給与」が2・9%減の2万4408円、夏冬のボーナスを月当たりにならした「特別に支払われた給与」が2・8%減の7万9504円となり、現金給与総額としては微増にとどまっている。
全産業では、現金給与総額が1・3%増の33万2533円で3年連続の増加。内訳は、「所定内給与」が1・3%増の25万3534円、「所定外給与」が0・3%減の1万9074円、「特別に支払われた給与」が1・6%増の5万9925円だった。
現金給与総額は増加している一方、消費者物価指数も大きく上がっている。これにより、物価変動を考慮した賃金を表す「実質賃金(総額)」は大きく低下。23年度は前年度比2・2%減で、2年連続の減少となる。
提供:建通新聞社