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2024/05/22

標準労務費「民間が最重要」 国の関与求める

 建設業法・入札契約適正化法の改正案を審議する5月21日の衆院国土交通委員会で、参考人として出席した建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は、標準労務費を活用した賃金を下支えするため「民間発注者が最も重要になる」と意見を述べた。受発注者間、元請け・下請け間で労務費の転嫁を早急に進めるため「サプライチェーン一体で賃上げするマインドとなるよう、働き掛けを」と国に注文した。
 岩田氏は建設業の処遇改善が進まない理由に労務費の不安定さを挙げ、賃金の下支えとなる標準労務費の創設を歓迎。建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価に基づく年収目安を示したことにも触れ、加入の加速に期待感を示した。
 中央建設業審議会・社会資本整備審議会の基本問題小委員会で法案の土台となる議論を行った東京大学大学院の堀田昌英教授は、これまで賃金下支えの仕組みが脆弱だったことが担い手不足につながったとし、「労務単価を削って競争の原資にすることがあってはならない」と発言。同様の制度がある諸外国を例に、「労務費で競争できなければ、生産性向上のインセンティブが生まれる」とし、標準労務費の意義を強調した。
 同じく基本問題小委の委員だった上智大学の楠茂樹教授は、資材価格の高騰が賃上げの原資である労務費を削る実態を問題視。公正取引委員会では独占禁止法による行政処分だけでなく、不適切な取引を行う事業者の公表などの「アドボカシー」(唱導)的な手法が成果を上げていることを説明した。
 全国建設労働組合総連合の勝野圭司書記長は、標準労務費の実効性担保に向けて「早期に相当程度の職種で作成する必要がある」と述べた。技能者の働き方改革を促進するため、週休2日を前提とした金額設定が必要だとした。

提供:建通新聞社