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2024/05/20

標準労務費の更新 「市場に合わせて改定」

 衆院国土交通委員会が5月17日に開かれ、建設業法・入札契約適正化法改正案の実質的な審議が始まった。改正法案に盛り込まれた標準労務費を実態に合ったものとするため、更新頻度を問う質問に対し、国土交通省の塩見英之不動産・建設経済局長は「定期的に見直さないと市場からかい離する」と答弁。市場の動きに合わせ、中央建設業審議会で改定を議論してもらうとの方向性を示した。
 改正法案では、中建審が労務費の基準を作成、勧告できるようにする。著しく低い労務費による見積もりや見積もり依頼を禁止し、違反発注者には国土交通大臣、都道府県知事が勧告・公表する。重層下請け構造の中で、技能者が適正な賃金を受け取れるよう、原資である労務費を担保する仕組みとなる。
 塩見局長はこの標準労務費について、「特に上昇局面で迅速に改定することが重要になる」と発言。改定で反映しきれないような急激な市場変動についても「賃上げの足かせとならないよう、工夫を考えたい」とし、公表頻度の高い統計指標と連動させる考え方も示した。
 賃金水準の地域差などを考慮する必要性を指摘する質問もあった。塩見局長は、「地域差、工種の違いを考慮した分かりやすい設定を基本に議論してもらう」と答弁した。
 標準労務費を「著しく下回る」か否かの判断基準についての質問では、塩見局長が「仮に具体的な数字を示すと、基準の下限にはりつく」恐れがあると発言。実態に応じた弾力的な運用が必要になるとし、違反の考え方を示す事例集をまとめ、周知していく考えを述べた。
 改正法案では、資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止策として、請負額に影響するリスク情報の提供を受注者の義務とする。受注者が契約変更協議を申し出た際、発注者には「誠実に協議に応じる努力義務」を課す。
 変更協議の実効性担保を求める質問もあった。斉藤鉄夫国交相は、民間工事では約6割の契約で変更条項自体が盛り込まれておらず、受注者の申し出がいわば”門前払い”になっている現状を説明。まずは発注者が協議に応じるよう、請負代金額の変更方法を契約書の記載事項として明確化する必要性を述べた。
 塩見局長は、受注者に提示義務が課されるリスク情報の範囲を解説するガイドラインをまとめ、情報提供の在り方を示すとした。

提供:建通新聞社