全国建設業協会の奥村太加典会長らは5月15日、法定化された「国土強靱(きょうじん)化実施中期計画」の早期に策定するよう、内閣府の松村祥史国土強靱化担当相と公明党の石井啓一幹事長に要望した。中期計画に資材価格の高騰分を反映し、単年度当たりの事業量を「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を大きく上回るものとするよう求めた。
要望書では、3か年緊急対策と5か年加速化対策によって、防災・減災の効果が確実に現れているとしつつも、台風・大雨の被害が相次ぎ、能登半島地震によって大地震の不安も高まっていると指摘。
一方、現行の5か年加速化対策は、これまでの4年間で国費の8割以上を予算措置しており、最終年度の国費が1兆円にも満たないとして、「最終年度に必要な事業量を確保できないことが想定される」と問題視した。
このため全建は、5か年加速化対策の終了を待たず、2024年の早期に中期計画を策定することを要望。中期計画には、災害対策の必要性と緊急性に加え、建設資機材の価格高騰も反映し、単年度当たりの事業量が5か年加速化対策を上回るものとするよう求めた。
要望書を受け取った松村国土強靱化担当相は「できるだけ早く中期計画をまとめたい。金額(事業費)についても増やしたい」と前向きな回答。「各地方の協会からも地元選出の国会議員に要望してほしい」とも話した。公明党の石井幹事長は「事業量を確保するためには、当然、全体事業費も加速化対策を上回らなければならない」と応じたという。
提供:建通新聞社