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2024/05/16

建設業法改正案が審議入り

 標準労務費の作成と著しく低い金額での契約の禁止、ICT活用による技術者の専任義務の合理化を盛り込んだ、建設業法・入札契約適正化法改正案が、5月15日の衆院国土交通委員会で審議入りした。斉藤鉄夫国土交通相は厳しい就労条件を背景に建設業就業者数が減少しているとし、「現場の担い手の確保に向けた対策を強化することが急務となっている」と提案理由を説明=写真。処遇改善や働き方改革、生産性向上に向けて法案の速やかな成立を求めた。
 改正案では、労働者の処遇改善に向け、労務費確保の仕組みを整える。中央建設業審議会が標準労務費を作成・勧告できるようにし、これを著しく下回る見積もりや契約を禁止する。労働者の処遇確保を建設業者に努力義務化し、国が取り組み状況を調査・公表する。原価割れ契約の禁止を受注者にも適用し、ダンピングを防ぐ。
 近年、大きな課題となった資材高騰による労務費へのしわ寄せの防止も盛り込んだ。資材高騰など請負額に影響するリスク情報を受注者から発注者に提供することを義務化し、高騰時の請負代金の変更方法を契約書に記載することを明確化する。
 著しく短い工期による契約を受注者に対しても禁止し、工期ダンピングを抑制。ICTを活用した現場技術者の専任義務の合理化も盛り込み、働き方改革を後押しする。
 国交委は17日に改正案の実質的な審議に入る。

提供:建通新聞社