トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2024/05/13

総務省 建設発生土の適正処理進む

 総務省は、建設発生土の適正処理に向けた国土交通省への勧告に対する改善措置状況をまとめた。2023年10月時点で全都道府県、政令市の95・0%、市区町村の80・6が公共工事の仕様書に建設発生土の搬出先を明記するようになった他、民間工事でも80・0%の事業者が搬出先を指定している。
 熱海市の土石流災害を受け、建設発生土処理の実態を調査した総務省は、21年12月に適正処理を促進するよう国交省に勧告。国交省は、建設発生土の搬出先の指定や、再生資源利用促進計画の提出・説明、建設発生土の保管場所一覧表の公開などに取り組んでいる。
 建設発生土の搬出先の指定では、22年6月に公共工事と民間工事の標準請負契約約款を改正し、発注者による搬出先の設定について明記した。加えて、地方自治体には建設発生土の運搬費などを予定価格に盛り込むよう要請。取り組みはいずれも着実に進展しており、運搬費などの計上状況は、都道府県と政令市が100%。市区町村が92・8%となる。
 建設業者には、再生資源利用促進計画と実施状況の記録を発注者に提出し、報告することや、計画を工事現場に掲示することを義務付けた。23年10月時点で75・2%の現場が計画を掲示している。23年6月時点に比べて7・8%増加した。
 発注者への計画の提出・説明については、元請けに対する調査では89・0%が実施していると答えた。地方整備局などに対する調査では、96・6%の現場が行っているという結果だった。
 一方で、建設発生土の保管場所一覧表を活用した自治体は全体の20・6%にとどまった。伸び悩んだ要因は、一覧表の公開を知らないことや、近隣の保管場所が一覧表にないこと、参考にできる利用例が少ないことなどだった。国交省は保管場所の拡大や参考にできる利用例の更新を続け、一覧表活用の周知を続ける。
 22年8〜10月に行った土質別の利用実態によると、第4種建設発生土は83・3%、泥土は78・9%だった。24年度にはより詳細に調査し、有効利用率の向上を目指す。

提供:建通新聞社