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2024/05/10

品確法改正案 自民党国交部会で了承

 自民党の国土交通部会は5月9日、公共工事品質確保法(品確法)等の改正案を了承した。品確法では、スライド条項の運用基準をあらかじめ定めることを「発注者の責務」に追加。議員立法として、入札契約適正化法も合わせて改正することとし、入札契約の適正化に向け、必要に応じて国交相が自治体に勧告できるようにする。
 法案は公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連、根本匠会長)が立案した。今国会に政府が提出している建設業法・入札契約適正化法改正案とともに、「第3次担い手3法」として一体での成立を目指す。
 議員立法の改正法案は、公共工事の担い手、地域の守り手である建設業者が役割を果たせるようにするのが目的。このため、▽担い手確保に向けた働き方改革・処遇改善▽地域建設業の維持▽新技術の活用▽公共工事の発注体制強化―を柱とした。
 担い手確保の関連では、スライド条項の運用基準を定め、労務や資材の取引価格の変動に合わせて適切に請負代金額を変更することを発注者の責務に追加する。公共工事に従事する下請けが適切な休日、適正な賃金を得られるよう、労務費や休日付与に関する実態調査を国が行うことを規定する。平準化の促進に向け、自治体内の入札契約と工事の実施、財政の各部局が相互に連携するよう求める。
 中長期的な担い手確保を見据え、職業訓練の実施者への支援や、専門学校などと民間事業者、建設業団体との連携促進、外国人など多様な人材確保に必要な措置を講じるよう国・自治体に求める。
 地域建設業の維持に向け、実情に応じた適切な条件・発注規模での発注を求める規定を新設。災害対応力の強化に向け、災害応急対策工事の受注者に発生した労働災害に対する補償や第三者損害の賠償をカバーする保険契約の締結を促す。
 また、地域内で競争性の確保が困難なことを確認できた工事については、随意契約を認めることとした。
 新技術の活用による生産性向上に向け、調査から工事の発注維持管理までICTを活用することを規定。脱炭素化の促進、新技術活用の適切な評価を新たに規定する。
 公共工事の発注体制強化に向け、国・都道府県に対し、発注関係事務に関する講習会の開催など、職員の育成支援を講じるよう求める。国は発注関係事務の実態を調査した結果に基づき、発注者に必要な助言を行う。
 入契法の改正案では、入札契約適正化指針に照らして必要な場合に、国交相などが省庁や特殊法人、自治体に勧告できるとした。

提供:建通新聞社