国土交通省は、2024年度春季の地方ブロック土木部長会議で、4月から建設業にも適用され始めた時間外労働規制への対応を議論する。自治体発注工事での影響、課題など、まずは実態を把握する。月単位で週休2日を確保する工事をはじめ、直轄現場での取り組み事例も紹介し、水平展開を促す。
5月13日に大阪市で開く近畿ブロックを皮切りに、全国8地区で開催する。各地区の都道府県・政令市の土木系部局トップと国交省幹部が一堂に会し、公共工事の執行や働き方改革に向けた施策と課題を共有する。
今季の土木部長会議では、主要な意見交換テーマの一つに働き方改革を設定。時間外労働規制の適用に伴う自治体工事への影響を聞く。工期全体の平均だけでなく、月単位での週休2日を確保する取り組みや、工事書類の簡素化・電子化による受発注者の負担軽減など、直轄工事での施策も紹介する。働き方改革に対応して国交省が設定した24年度の積算基準なども参考にしてもらう。
公共工事の品質確保も主要テーマの一つとした。新技術活用や発注段階での工夫、技術職員の育成といった品質確保に必要な取り組みについて、特に小規模な市町村への支援体制を話し合う。都道府県による自治体支援の好事例を共有し、横展開につなげる。
老朽化するインフラの適正なマネジメント体制の確保も主要テーマに据えた。異分野のインフラや管理者の異なるインフラをまとめてメンテナンスする「地域インフラ群再生戦略マネジメント」など、国交省が具体化しようとしている事業手法を紹介するとともに、自治体独自の取り組みを聞く。具体的には、市町村間の連携や、都道府県と市町村との連携などを想定。特に地方で人口減少が深刻化する一方で、気候変動に伴って災害が激甚化する中で、自治体が管理するインフラの機能を適正に維持するための体制について話し合う。
確ブロックの会議日程は次の通り。
▽近畿(大阪市)―5月13日▽北陸(新潟市)―5月14日▽北海道・東北(岩手県盛岡市)―5月15日▽中国(岡山市)―5月21日▽関東甲信越(さいたま市)―5月23日▽中部ブロック(浜松市)―5月28日▽九州・沖縄(福岡市)―5月29日▽四国(高松市)―6月5日
提供:建通新聞社