日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は4月24日、国土強靱(きょうじん)化実施中期計画を早期に策定するよう、自民党の茂木敏充幹事長と森山裕総務会長に要望した。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の終了を待たず、年内の早期に中期計画を策定し、2025年度の予算編成に反映してもらうのが狙いだ。
自然災害に対する事前防災やインフラの老朽化対策などに総事業費15兆円程度を投じる5か年加速化対策は、24年度の予算措置が最終となる。総事業費15兆円のうち、国費を7・5兆円とした場合、23年度までに全体の80%以上を予算措置しており、24年度の予算措置が過去4年の平均を下回る可能性がある。
昨年6月に成立した改正国土強靱化基本法では、国土強靱化実施中期計画を法定計画として策定する法的根拠を定めたが、4月時点でこの計画は策定されていない。
日建連の要望書では、能登半島地震の発生などによって、国土強靱化の必要性が高まっていることを強調。被害を軽減する効果が確認されている5か年加速化対策の終了後も、中長期的な見通しに基づいて国土強靱化を継続するよう求めた。
そのためにも、法定の中期計画を早期に策定し、国土強靱(きょうじん)化のための各事業の整備スケジュールや事業費を明示。これまで以上の予算額を確保し、国土強靱化をさらに加速させる必要性を指摘した。
政府の次年度予算にこの中期計画の関連予算を計上するためには、例年6月に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に計画を反映する必要がある。日建連は、24日を皮切りに、政府・与党の関係者に中期計画の早期策定を要望。25年度の予算編成に中期計画を反映させ、切れ目なく対策を講じてもらう。
24日、宮本会長と蓮輪賢治副会長(建築本部長)から要望書を受け取った自民党の茂木幹事長は「国土強靱化実施中期計画は改正法に明記されており、早期策定の上、必要かつ十分な予算を確保したい」、森山総務会長は「5か年加速化対策で残された予算は多くはない。中期計画をしっかり策定する必要があり、25年度予算に反映できるものにしないといけない」などと応じた。
提供:建通新聞社