日本アスファルト合材協会(日合協、今泉保彦会長)は、2023年度のアスファルト合材の製造数量の調査結果(速報値)をまとめた。23年度に会員各社が製造した数量は、前年度と比べ6・1%減の合計3449万3000dとなり、過去最低を更新。工場の稼働率も平均33・2%と前年度より2・6ポイント低下し、稼働率としても過去最低となった。
会員企業以外を含めた23年度の実績値予想も3630万dとなり、前年度の製造数量を5・0%下回った。ピーク時の1992年度の製造数量と比べると55・1%減と半減している。
会員企業の製造数量は2年連続で5%を超える下げ幅となっており、減少傾向が強まっている。ロシアのウクライナ侵攻後のアスファルト価格の上昇や労務費の上昇が舗装工事の工事費を圧迫し、アスファルト合材の製造数量の減少につながったと見られる。
地区別に製造数量を見ると、全ての地区で製造数量が減少。東北が11・2%減と最も減少幅が大きく、北海道の9・8%減、沖縄の9・3パーセント減が続いた。都道府県別では、能登半島地震の被害を受けた石川県が5・8パーセント増と伸びた。一方、長野県が前年度の反動で46・6%減と半減し、下げ幅が最も大きくなっている。
工場の稼働率も全ての地区で低下した。稼働率が最も低かったのは沖縄の17・9%で、北海道の23・7%、四国の24・0%が次いで低かった。稼働率が最も高かったのは関東の43・8%。日合協によると、廃業する工場も増えており、今後は災害時にアスファルト合材を供給できない『空白地域』が生じる恐れもあるという。
提供:建通新聞社