国土交通省は、建設現場のさらなる生産性向上に向けた「i−Construction2・0」を具体化するため2024年度に取り組む内容をまとめた。施工のオートメーション化を実現するため、23年度に策定した安全ルールの実現場への適用をはじめ、遠隔施工やデータ活用などに関連した試行工事を実施する。
i−Con2・0では、施工のオートメーション化を目指す施策の一つに位置付けた。前段階として23年度には、オペレーターが搭乗しない自動施工機械の活用に向け、現場内で人の立ち入りを制限するためのエリア設定などを定める安全ルールを策定。24年度はこのルールを実現場に適用する試行工事を行う。自動施工機械の機能要件や施工要領の策定に向け、検討・検証も実施する。
オペレーターが現場外から施工機械を操作する遠隔施工の普及促進にも取り組む。火山の噴火時や土砂崩れなど、危険を伴う場所での導入が中心だったため、24年度は通常の施工現場での試行工事を検討。オペレーターの確保につなげる。
自動施工に必要な現場データは現状、建機メーカーごとにまとまっている。国交省は施工データを集約・活用するための施工データプラットフォームを整備するとともに、データ利用のための共通ルールをまとめる。施工データの活用効果を検証する工事を試行する。
一方、既に実施率が9割近いICT土工や河川のICT浚渫工については発注者指定への移行をさらに進め、25年度には原則化する。他のICT施工対象工種についても順次、原則化を視野に入れて取り組み状況を確認する。
データ連携においてもオートメーション化を推進。2次元の設計で形状を決定してから3次元モデルを別途作成する現行の仕組みから、3次元モデルをベースに形状決定し、必要に応じて2次元図面を作成する手法への転換を検討する。3次元モデルの標準化を見据え、試行業務を実施する。
施工管理分野では、これまで中間検査などで適用していた遠隔臨場をさらに拡大する。3月に策定した「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領案」を、24年度から原則全ての直轄土木工事の検査に適用する。
提供:建通新聞社