厚生労働省は、年々増加する外国人労働者の労働環境を保護するため、外国人を雇用する事業主に対して、適正な雇用管理の確保のための助言と指導を行っている。外国人を雇用する30万を超える事業所のうち、技能実習実習生や特定技能外国人が増えている事業所や初めて外国人を雇用する事業所を中心に訪問。2022年度は約1万3000事業所を訪問した。
外国人雇用管理指針に基づき、労働条件の明示や労働時間の管理、労働基準法の周知が適正に行われていることを確認。外国人労働者の母国語の就業規則作成など、労働法制への理解を深めてもらうとともに、外国人労働者の雇用に関する助成金なども紹介している。労働関係法令違反がある事業所については、労働基準監督署や外国人技能実習機構などに情報を提供する。
また、事業主が提出する外国人雇用状況届出情報と出入国在留管庁の在留管理情報とが整合しない事案にも対応。取り組みを始めた21年度に比べると、事案件数は大幅に増えており、その中にはブローカーや不法就労者も一定数含まれているという。
23年10月末時点で建設業で働く外国人労働者の数は14万4981人。「技能実習」が8万8830人、「専門的・技術的分野の在留資格」が2万6978人、「特定技能」が1万2333人と大きく増え、雇用事業所数も3万9415カ所と増加傾向にある。
厚労省によると、人手不足を理由に外国人雇用を検討し、手続きや留意点を相談しにハローワークを訪れる建設業の事業主が増えているという。
提供:建通新聞社